会社の形態の選択
1.会社の形態
(株式会社と有限会社)
通常は有限会社か株式会社かの2者選択となるでしょうから、有限会社と株式会社の違いなどについて説明します。
区 分
株式会社
有限会社
準拠する法律
商 法
有限会社法
出資者(株主)の数
1人以上
1人以上50人以下
最低資本金※
1000万円以上
300万円以上
議決機関
株主総会
社員総会
役員数
取締役3名以上・監査役1名以上
取締役1名以上
はっきりいって、株式会社か有限会社かの選択は、設立するに当たっての資金量によって決まるのではないでしょうか?
株式会社は設立時の最低資本金が1000万円以上必要となり、設立諸費用も有限会社と比べて多少割高になります。
その後も役員の変更登記が取締役の任期が2年、監査役の任期が3年となっている関係上、頻繁に役員の変更登記(例え役員のメンバーが変わらなくても「重任」ということで登記が必要)を行う必要があるなど、設立後も多少コストがかさみます。
※現在1円設立が認められている
「新事業創出促進法」の一部改正により、資本金1円でも株式会社・有限会社が設立できるようになりました。正式には、「最低資本金規制の特例」といい、平成15年2月1日からスタートしています。この特例は、平成15年2月1日から平成20年3月31日までの間に、会社の本店所在地を管轄する経済産業局に確認申請書を提出し、確認書の交付を受けた創業者が会社を設立した場合に適用されます。なお、設立には所定の要件が必要です。
2.その他の留意点
消費税は原則として2年前の事業年度の売上高が1,000万円を超えている場合に、消費税の納税義務者になるため、新会社の場合には、通常2年間は消費税の納税義務者ではないが、資本金が1,000万円以上の会社は、設立事業年度から、自動的に消費税の納税義務者となってします。
従って、株式会社は当然1,000万円以上(1円設立特例を除く)の資本金であるため、設立年度から納税義務者となり、有限会社の場合は資本金が1,000万円以上の場合にのみ納税義務者となります。
なお、設立初年度は、設備投資等がかさみ、消費税等が納付ではなく、還付となることも多いため、有限会社でも納税義務者の選択届けを提出し、原則課税を選択する場合もあります。
※ 資本金300万円以下の有限会社は、消費税の課税事業者選択届出書を提出しないと、もともと納税義務がないため、計算をしたら還付だったなんて場合でも、消費税は還付されません。逆に納税額が出てしまって損をしてしまうこともあるので注意が必要です。
3.株式会社にするメリット
では、株式会社にするメリットとは一体何なんでしょう?
これは、「見栄」というか「かっこつけ」が一番最初にくる企業が沢山あると思います。
でも、この「見栄」というか「かっこつけ」が実は非常に大事な事もあるのです。今日の経済取引は「信用」というものがないと成り立ちません。商取引においても、昔は現金取引(もっと昔はブツブツ交換)が当たり前だったのが、現在では代金の決済が何ヶ月後に行われたり、代金の決済が現金ではなく、受取手形や小切手といった信用取引なしでは成り立ちません。
つまり、見てくれで相手に信用されないと、最初から相手にされないといった事態に陥るからです。
新しく取引をする場合には、個人経営のところよりは会社組織。同じ会社組織であれば、有限会社よりは株式会社というように、まずは相手のフトコロを探るわけです。
相手の資金が無く、取引してすぐにパンクしてしまったら。会社にとって大損害になるケースが多々あるからです。
人は見かけによらないとはいいますが、まずは「見かけ」によって判断されてしまうのが現状です。
4.結 論
それでは株式会社にしようか!と安易に決めるのも考え物です。別に株式会社にしたからといって確固たる「信用」がはじめから、もれなくついてくるわけではありません。別に相手(お客さん)に社名や会社の規模で商売するような性質の会社でなければ、特に「有限」か「株式」かにこだわる必要はありません。
商売上「かっこつけ」が必要な場合には、株式会社にし、事務所の立地、取締役数、代表電話やフリーダイヤル、会社のロゴマークなども考慮し、「それなりの会社になるため」に「それなりの装備」をはじめから行うことになるのではないでしょうか。